2018.04.21更新

難症例の糖尿病網膜症の硝子体手術をしていると…いつも思うことがある。先日も…。


もっと早い時期に適切な治療が行われていたら…。早い時期に専門医から適切なアドバイスがなされていたら…。私の考える適切な治療とは、まずはしっかりと汎網膜光凝固(レーザー)が完成している事。適切なアドバイスとは、失明する病態で失明原因の第2位の病気であることをしっかり啓蒙し、定期検診の必要性を理解させる事。硝子体手術後もしかり…。

 

生活習慣病である糖尿病は、長い期間を経て眼合併症が発症してくる。突然難症例となるわけではない。また一生付き合っていかないといけない病気。初期は、無症状だから、本人の知らない間に悪化しているケースもある。運が良いのは、初期から症状が出るケース。誰もが必ず眼科に受診してくれるから、うちであれば、しっかり啓発することを肝に命じている。

 

眼科医が積極的に加療に踏み込むのは、前増殖期から増殖期の段階。部分的な網膜光凝固術(網膜レーザー)から汎網膜光凝固術…そして硝子体手術や緑内障手術。

 

個人的には、網膜光凝固術をするこの時期の治療にかなりの差があるように思える。しっかりとレーザーが入っている人。適当なレーザーしかなされていない人。実は…この時期の治療(網膜レーザーの成功)が硝子体手術が必要になった時の手術難易度を決めているんだと感じている。手術依頼を受けると…実に様々なレーザー後の患者様に遭遇する。医師側が黄斑浮腫が出るからと、汎網膜光凝固術を躊躇しては決していけないんだと思う。ケナコルト注射などで対策はできる。そして、レーザーは患者様も痛みを伴うが、必要なら麻酔も使用してでもしっかり完遂すべきだと思う。そして…手術のタイミングを間違えてはいけない。

 


例えば…牽引性網膜剥離が生じている場合でも過去にしっかりとレーザーが全体に入っていれば、手術を問題無く終えることができる。レーザーが不十分でも硝子体カッターを7500回転にしたり、シャンデリア照明などツールを駆使すればリカバリーも充分可能。一番やっかいなのは、若い患者様で、今まで眼科も内科も無治療…なのに手術が必要な場合。

 

糖尿病患者様の硝子体手術をする時に、特に気をつけているのが…当たり前だか、手術による合併症を起こさない事。特に術中の止血は必須で、視認性が低下しないよう細心の注意を払う。また、硝子体切除もやり過ぎ無い、でもしっかりシャンデリアと眼球圧迫を併用して確実に切除。網膜再周辺部に網膜レーザーをしっかりと全周にわたり完成させ、後極部(黄斑周囲)はしっかり内境界膜剥離をおこなう。他の疾患よりパッカーができやすいからと考えている。

 

このように確実に手術をしても…術後の管理(炎症およびレーザーの追加)をしっかりしないと硝子体出血が生じたり、最悪の場合は新生血管緑内障として戻ってくる。

 


手術が上手くいくと、安心して通院が疎かになる患者様をしっかり啓発。また我々Dr も面倒くさがらずに蛍光眼底造影検査をしっかりおこない眼底評価をする。本当に大切な事なんだと思う…。

 

ジレンマを感じた事を自戒の念も込めて…。

2017.05.07更新

高度近視眼は…さまざまな眼科疾患を併発するリスクがある事は、良く知られている事だと思います。日本人は、軸性近視と言って眼球が異常に大きくなり(長眼軸)近視度数が強くなるタイプが多いです。正常の眼軸長が24ミリだと言えば…36ミリの眼軸長の凄さが分かりやすいかもしれません。

 

まず、緑内障にもなりやすいですし、網膜剥離の発症率も高いです。また、網膜分離症(黄斑分離)から黄斑円孔網膜剥離にまで至り難治な状態へと進行してしまいます。高度近視性の脈絡膜新生血管も発生しやすいです。なんだか…怖いですよね。

 

もちろん…当院では、全ての病態に対し対処可能です。しかし、黄斑円孔網膜剥離は本当に難治です。私は、そこに至る前の黄斑分離の状態で、患者様にしっかりと病態の説明をして、後部ぶどう腫内の後部硝子体膜を剥離し牽引を解除する様にしています。術後は、分離も時間とともに改善しますし、なにより中心窩剥離から黄斑円孔網膜剥離への進行を抑制することができます。もちろん視力も黄斑形態の改善に伴い向上します。

 

脈絡膜新生血管に対しては、蛍光眼底造影検査がとても鋭敏に検出でき、抗VEGF療法が効果絶大です。しかし網脈絡膜が萎縮してしまうと視力は回復しません。とにかく早期発見、早期治療がベストです。

 

網膜剥離は、開院以来…出来る限り緊急対応をしております。網膜剥離復位術から硝子体手術まで対応しております。

 

 

 

では、そもそも多くの眼科疾患を併発する高度近視を予防するにはどうしたら良いか?遺伝性も多いですが、その環境因子で近視は成長期に進行します。

 

 

特に…長時間の近見作業は、近視を進行させる事が分かっています。では、どうしたら良いのか?

 

当院では、希望があれば、MCレンズやナイトレンズ(オルソケラトロジー)を選択する事が出来ます。

 

ぜひ、担当スタッフが、分かりやすく説明しますので気軽にお問い合わせして下さい。

 

今回…36ミリ以上の長眼軸眼の黄斑円孔の患者様の手術をさせて頂く機会に恵まれました。一般的に30ミリ以上の眼軸になると上記疾患の合併率が高くなり、更に手術は別世界の難しさになると言われています。

 

以前…32ミリの黄斑分離の患者様の手術をした経験があったので、その難しさや手術時の一工夫や二工夫が必要な事は事前にイメージ出来ました。一番ケアーしたのが…特注の手術器具(硝子体鑷子)が奥底の黄斑まで届くのか?それだけ…異次元な世界。

 

私の工夫は、その特殊な硝子体鑷子を出し入れするトラカールの設置位置を通常よりも網膜側に可能な限り近づける事。そして、眼圧(眼の張り)を下げる事で対処しました。なんとかギリギリで一番奥底の網膜を触る事が出来ました。が…ここからが本当の勝負。高度近視眼は、網膜が薄く下の組織(脈絡膜)が透けて見えています。網膜の厚さが判別しにくくなってます。

 

その上の後部硝子体膜だけを剥離し、更に内境界膜剥離を剥離し終えた頃には、安堵感と達成感に満たされ、自然と残りの手術行程はいつもよりスムーズに進行。

 

慎重にガス置換を終え…患者様に予定どうり手術が終わったので、数日間の伏臥位を頑張って下さいとスタッフ一同励まし、手術を終了。

 

後日…しっかりと、黄斑円孔が閉鎖している(完治)のを患者様とそのご家族の方と画像で一緒に確認。全てが報われる瞬間です。

 

実は、数年前にもう片方の眼も同じ病気を発症して、ある病院で手術は難しいとムンテラされもう片方が良く見えるから断念した経緯を初診時に話されました。今回その良い方の眼が同じ黄斑円孔になり、藁をも掴む気持ちで当院を受診されたのは手に取るように理解出来ました。決して私が特別では無く、ここ数年の手術器具の進化と検査機器の進歩の恩恵かと思っています。

 

そして…私自身が手術の時に拠り所にしているのは、『原因が分かれば、必ず治る』という信念です。難しいと感じた時ほど…原因をしっかり冷静に観察し、原因を改善させる事だけに集中しています。これからも…その集中力と、この手が普通に動く限り一外科医としての立場で地域医療に微力ながら貢献していきたいです。

 

 

2016.05.28更新

 網膜剥離には、大きく分けて2通りの治し方(手術法)があります。

 

網膜剥離の病態により、選択されるべき2つの手術法。簡単に言うと…若年発症の網膜剥離は網膜復位術。高齢者の網膜剥離は硝子体手術が選択される。もちろん例外はあるが、だいたいはその判断で間違いは無い事が多いです。たまたま、患者様の年齢や眼を総合的に診て判断すると私自身硝子体手術を選択する事の方が多くなってきた気が…。

 

でも今回は…網膜復位術(バックリングオペ)についてお話しします。

 

私が、網膜剥離手術を始めたきっかけは…白内障手術が一人前になりかけた頃に、次はバックリング手術を一人前にできるようになりたいという動機がきっかけでした。眼底チャートを術前に完璧に書き、手術をイメージどうりに完遂する。眼科手術の中でも…よりダイナミックで一般の外科的手術に近く、その特徴が色濃く出る術式かと個人的には思っています。それは…外眼筋(眼球を動かす筋肉)を露出し触る事だったり、助手との連携が一番手術時間に影響する術式かと思うからです。だから…私は好きです。

 

網膜剥離を、眼外から治すのですが…原因裂孔に冷凍凝固をし、網膜下液を強膜側からカットダウンし排出、そして裂孔部分の硝子体牽引の軽減目的にバックル設置をします。一番肝を冷やす瞬間は、カットダウンの時で、私の心拍も一番上昇する時です。脈絡膜からの出血が網膜下にまわる可能がある処置だからです。網膜下液が抜ければ天国。下液が抜けず出血が生じれば地獄になりかねません。

 

先日も、40代前半の網膜剥離患者様のバックリング手術を施行しました。イメージどうりに手術を完遂でき、翌日には、ほぼ完治に向かう明るいイメージが診てとれました。開院から、忘れた頃に定期的に若年発症の網膜剥離の患者様が受診されます。私の原点である網膜復位術…気合いが入るのと同時に変なプレッシャーはかかります。本音は、硝子体手術の方が腰が痛くならず術者は楽、手術時間も割りかし読める(早い)ので選択比率は自然と上がります。

 

しかし…術後の患者様の負担は明らかに復位術の方が楽(術後体位制限がほぼ無し)なので…どちらの術式でも可能と判断した場合は、網膜復位術を積極的に選択できる自分で居続けたいと思います。

 

網膜剥離は、1万人に1人の発症率で決して多くはありませんが…放置すれば失明しますが、初回復位率9割と言われている病態です。

 

当院では、網膜復位術と硝子体手術の両術式を選択しています。一緒に、この病気に立ち向かいましょう!

 

 

 

 

 

 

2016.03.10更新

  外来をやっていて…歪みの主訴で一番頻回に遭遇するのが黄斑上膜でしょうか?実は当クリニックでの硝子体手術患者さまの6割を占めています。

 

主症状は、歪みと矯正視力の低下。白内障同様に失明しません。ここが、ミソで…硝子体手術は怖いし、危険(先入観)だから、歪みは完全に治らないし(本来は悪化防止目的)といたずらに恐怖だけ与え放置されているケースが多い…。

 

幸い紹介して頂ける施設が複数ある当院では…定期的に手術希望の患者さまに現状や真意をお話しする機会を頂けている。

 

気をつけているのは…黄斑(網膜の中心)という組織の特性をまず理解してもらうこと。水晶体とは違い…神経組織で「見る事」に特化した脳だと表現すると驚かれる。その上で点眼や経過観察では、ゆっくりと悪化するのは止められず外科的に膜を取り除くのが一般的な治療(特別では無い)だと話している。もちろん…可能性のある合併症も話すしそのリカバリー法も話す。

 

視神経もそうだが黄斑(網膜)も神経…神経は決して再生しない。だから緑内障や加齢黄斑変性症、網膜剥離で失明する人がいる。

 

網膜断層装置は、どんな名医より鋭敏にその黄斑(網膜)の構造(機能)を映し出す…日常診療に無くてはならない眼科器械の一つだ。そのため術前、術後の画像比較を必ず患者さまとご家族さまに一緒に見て頂く。もちろん伏線として正常眼も理解して頂く。

 

類縁疾患で…硝子体黄斑牽引症候群や黄斑円孔や網膜分離(高度近視性)は…術前術後の比較画像においてその威力や説得力は一目瞭然です。

 

構造の回復=機能の回復 (視力回復)    と単純なものではありませんが、異常な構造を正常に近づける。これ以上悪化させない…これからも当たり前の発想で丁寧に対応をさせて頂きます。

 

物が歪んで見えている方、困っている方は…ぜひ日帰りでの外科的対応可能な下之城眼科にご相談ください!

 

 

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